『ザ・シンプソンズ ムービー』(The Simpsons Movie)は、2007年のアニメーション映画。アメリカの人気テレビアニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』の劇場向け作品。
2007年7月25日から7月27日にかけて約40の国と地域で同時公開された。シリーズの初の映画化であり、興行収入は合計5億2600方ドル以上に達している。北米では、作中のコンビニエンスストアクイックEマートを模したセブン-エレブンの店舗が登場するなど、そのプロモーションでも話題になった。
あらすじ[]
アメリカの田舎町スプリングフィールドの湖では、ロックバンドグリーン・デイのライブが行われていた。しかし彼らは環境の話題を持ち出したとたん、観客の反感を買い石を投げられる。そこは、汚染が進む湖の上。彼らの立つステージは沈み始めた。翌日、町の教会で彼らの弔いが終わると、預言者となったシンプソン家の祖父エイブが「イーパ! イーパ! イーパ!」などと不吉な予言を告げる。
湖の汚染が危機的水準に近づいたため、市は湖にごみを捨てることを禁止した。そんなある日、ホーマーはブタを飼い始めた。ブタの排泄物を貯めていたサイロが一杯になり、ホーマーはサイロを処理場に搬入しに行くが、処理場が混雑していたため、禁止を無視しサイロを湖に捨ててしまう。
さらに汚染が進み強烈な汚染物質を撒き散らし始めた湖への対処を迫られたアーノルド・シュワルツェネッガー大統領は、スプリングフィールドをドームで覆い隔離するよう命じた。ドームで覆われ外界と遮断されたスプリングフィールドは、雨も降らず風も吹かない地獄と化した。
キャスト[]
役名 | 声の出演 | 声の出演 (日本語) | |
---|---|---|---|
劇場公開版 | オリジナル版 | ||
ホーマー・シンプソン | ダン・カステラネタ | 所ジョージ | 大平透 |
マージ・シンプソン | ジュリー・カブナー | 和田アキ子 | 一城みゆ希 |
バート・シンプソン | ナンシー・カートライト | 田村淳 (ロンドンブーツ1号2号) |
堀絢子 |
リサ・シンプソン | イヤードリー・スミス | ベッキー | 神代知衣 |
マギー・シンプソン | ナンシー・カートライト | 世戸さおり | 真柴摩利 |
ラルフ | ナンシー・カートライト | 真柴摩利 | |
スクラッチー | ハリー・シェアラー | 多田野曜平 | 飛田展男 |
イッチー | ダン・カステラネタ | 石上裕一 | 紗ゆり |
フリンク教授 | ハンク・アザリア | 渡辺浩司 | 飛田展男 |
バーンズ社長 | ハリー・シェアラー | 伊井篤史 | 小形満 |
クラバーペル先生 | マーシャ・ウォレス | ? | - |
コミックブックガイ | ハンク・アザリア | 日向とめ吉 | 青森伸 |
ビリー・ジョー・アームストロング フランク・エドウィン・ライトIII マイケル・プリチャード |
河相智哉 石上裕一 渡辺浩司 |
? ? ? | |
バーニー | ダン・カステラネタ | 広瀬正志 | |
モー | ハンク・アザリア | 稲葉実 | |
ラブジョイ牧師 | ハリー・シェアラー | 中田譲治 | 目黒光祐 |
ネッド・フランダース | ハリー・シェアラー | 多田野曜平 | 稲葉実 |
エイブ | ダン・カステラネタ | 滝口順平 | |
近所に住むおばさん | トレス・マクニール | 近藤春菜 (ハリセンボン)[1] |
? |
ミルハウス | パメラ・ヘイデン | 杉本ゆう | 飛田展男 |
ネルソン | ナンシー・カートライト | 桜井敏治 | |
コリン | トレス・マクニール | 達依久子 | 安藤ありさ |
スキナー夫人 | トレス・マクニール | ? | 鈴木れい子 |
ウィガム署長 | ハンク・アザリア | 中村大樹 | |
ロッド・フランダース | パメラ・ヘイデン | 真柴摩利 | |
トッド・フランダース | ナンシー・カートライト | ? | 安達忍 |
ルー | ハンク・アザリア | 伊藤栄次 | |
ネルソンの母 | トレス・マクニール | 高乃麗 | ? |
舞台監督 | ダン・カステラネタ | ? | ? |
ピエロのクラスティ | ダン・カステラネタ | 岩崎ひろし | 島田敏 |
ブタ | トレス・マクニール | - | - |
猫女 | トレス・マクニール | - | - |
クインビー市長 | ダン・カステラネタ | ? | 辻親八 |
レニー | ハリー・シェアラー | ? | 朝戸鉄也 |
カール | ハンク・アザリア | ? | 辻親八 |
ファット・トニー | ジョー・マンテーニャ | 糸博 | 津田英三 |
クレタス | ハンク・アザリア | ? | 朝戸鉄也 |
市長の側近 | ダン・カステラネタ | ? | 青森伸 |
ハチ男 | ハンク・アザリア | ? | 広瀬正志 |
湖のドクロ | ハリー・シェアラー | ? | 辻親八 |
マルチアイ・リス | ダン・カステラネタ | - | - |
環境保護庁の男性作業員 | ハンク・アザリア | ? | 目黒光祐 |
環境保護庁の女性作業員 | トレス・マクニール | ? | さとうあい |
ラス・カーギル | A・ブルックス | 西村知道 | 石塚運昇 |
アーノルド・シュワルツェネッガー大統領 | ハリー・シェアラー | 玄田哲章 | |
マーティン | ラッシ・テイラー | 安達忍 | |
パニックになった男 | ダン・カステラネタ | ? | 目黒光祐 |
サイドショー・メル | ダン・カステラネタ | ? | 広瀬正志 |
男 | カール・ウィーダーゴット | ? | ? |
カーナビのGPS音声 | トレス・マクニール | 箕輪はるか (ハリセンボン)[1] |
真柴摩利 |
ケント・ブロックマン | ハリー・シェアラー | 糸博 | |
ハンク・アザリア | ? | ? | |
ミスター・ティーニー | ダン・カステラネタ | - | - |
スキナー校長 | ハリー・シェアラー | 青森伸 | |
環境保護庁の役人 | ダン・カステラネタ | ? | ? |
キスする警官 | ダン・カステラネタ ハンク・アザリア |
- | 広瀬正志 |
カーニバルの客引き | ハンク・アザリア | ? | 伊藤栄次 |
店員 | ハンク・アザリア | ? | 目黒光祐 |
ヒバート医師 | ハリー・シェアラー | 青森伸 | |
アープー | ハンク・アザリア | 広瀬正志 | |
スミサーズ | ハリー・シェアラー | 糸博 | 目黒光祐 |
アラスカ入口の現金配布員 | ハリー・シェアラー | ? | 辻親八 |
ヘレン・ラブジョイ | マギー・ロズウェル | ? | さとうあい |
クッキー・クワン | トレス・マクニール | ? | 鈴木れい子 |
リンジー・ネグル | トレス・マクニール | ? | 定岡小百合 |
ドレドリック・テイタム | ハンク・アザリア | - | - |
船長 | ハンク・アザリア | - | - |
テレビのトム・ハンクス | 本人役 | 江原正士 | |
テレビの父 | フィル・ローゼンタール | ? | 目黒光祐 |
テレビの娘 | ナンシー・カートライト | ? | 真柴摩利 |
テレビの息子 | トレス・マクニール | ? | 紗ゆり |
まじないの女 | トレス・マクニール | ? | ? |
クマ | ダン・カステラネタ | - | - |
電話の女 | ナンシー・カートライト | ? | ? |
電話の少女 | トレス・マクニール | ? | ? |
電話の少年 | ダン・カステラネタ | ? | 伊藤栄次 |
国家安全保障局の作業員 | ダン・カステラネタ | ? | 中村大樹 |
役人 | ダン・カステラネタ | ? | ? |
環境保護庁のドライバー | カール・ウィーダーゴット | ? | 目黒光祐 |
環境保護庁の乗客 | ハンク・アザリア | ? | 桜井敏治 |
警備員 | ハリー・シェアラー | 稲葉実 | 目黒光祐 |
爆弾処理ロボット | ハンク・アザリア | ? | 伊藤栄次 |
オットー | ハリー・シェアラー | 桜井敏治 | |
ニック医師 | ハンク・アザリア | ? | 飛田展男 |
サンタズリトルヘルパー | ダン・カステラネタ | ? | - |
カング | ハリー・シェアラー | ? | ? |
甲高い声の少年 | ダン・カステラネタ | ? | 飛田展男 |
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日本での劇場公開[]
日本では、他のどの地域よりも遅れた2007年12月15日から公開された。日本語字幕版は当初東京のお台場シネマメディアージュとTOHOシネマズ六本木ヒルズのみで公開され、他館では日本語吹き替え版のみ上映された[注 1]。
声優の変更[]
日本語吹き替え版では、テレビアニメシリーズで吹き替えを担当していた大平透らに代わって基本的に声優を本業としないタレント・お笑い芸人が主な登場人物の吹き替えに起用された[注 2]。いわゆる芸能人吹き替えである。20世紀フォックスの日本支社はこの変更について「『日本の理想の楽しい家庭』をテーマに決めた」と説明しているが[2]、話題性重視の安易な人選であるとして批判的な声が上がり、一部の新聞や日経エンタテインメント!、キネマ旬報などの雑誌がこれを報じた[3]。
この変更が発表された翌日の2007年8月15日にはmixiに変更に抗議するコミュニティが登場し[4]、プロフィール画像に変更への抗議を示すものを指定するなどの抗議活動が行われた[5][6]。さらに、インターネット上にはオリジナル声優の復活を求める署名サイト[7]とブログ『映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更を考える会』[8]が開設され、3000人を越す署名が集まった。著名人の間でもこの変更を疑問視する声が上がり、バンドホフディランの小宮山雄飛は自身のブログで変更への抗議を示し、20世紀フォックスの日本支社を訪れて直談判したが訪問後に「字幕版で見よう」と意見を180度転向、急にトーンダウンした[注 3]。シリーズにマイケル・ジャクソン役としてゲスト出演したことがある声優山寺宏一は、具体的な表現は避けたものの、話題性重視のキャスティングに対して批判を述べた[9]。なお、メインキャラクター以外の配役も一部はTVシリーズと異なる声優が起用されていた。
オリジナル吹き替え版制作とその後[]
シリーズでマージ役を担当する声優一城みゆ希は自身のブログで抗議に触れ[10]、また2007年10月30日には映像ソフトへの収録用にシリーズで吹き替えを担当する声優による吹き替えの収録が開始されたことを明らかにした[11]。そして2008年3月19日、劇場公開版とシリーズの声優によるオリジナル版の2つの日本語吹き替え音声が収録されたDVDとBlu-ray Discが発売された。但し、バーンズ社長の声はオリジナル版も通常と異なり小形満が務めた(TVシリーズの担当声優である北村弘一が亡くなっていたため)。
2008年5月4日にはシリーズの声優らとシンプソンズファン[12]が主催する「第1回シンプソンズ・ファン感謝祭」が開催され、本作のオリジナル版での上映などが行われ、全国から500人のオリジナル声優ファンが集まった[13]。2008年12月にはWOWOWおよびスター・チャンネルにおいて初放送され、両局ともオリジナル版が採用されている[14][15]。
タイアップ[]
ミスタードーナツは本作とのタイアップ商品として「ふわふわモンブラン」を販売した。また、劇中のドーナツを再現した「ミックスベリーフレーバー」や「バナナフレーバー」も販売され、これらを携帯電話のカメラで撮影し送信するとデジタル割引クーポンが送られるキャンペーンが行なわれた。なお、同商品のテレビCMでは大平らシリーズの声優が吹き替えを担当した。
注釈[]
関連項目[]
- FOXチャンネル - 本編中に一回だけCMが流れている。
- アラスカ - ホーマーらシンプソン一家の逃亡先でもある。
参考文献[]
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外部リンク[]
テンプレート:Commons
- The Simpsons Movie - 20世紀フォックスによる公式国際ウェブサイト
- ザ・シンプソンズ ムービー - 20世紀フォックスによる公式ウェブサイト
- The Simpsons Movie - 20世紀フォックスによるDVDとBlu-ray Discの公式ウェブサイト
- 映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更を考える会のBLOG - 映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更を考える会のBLOG
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テンプレート:ザ・シンプソンズ
- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite web
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- ↑ 2007年11月号『日経エンタテインメント!』(日経BP社)の連載「.tnt!」
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- ↑ ザ・シンプソンズ MOVIE | WOWOWオンライン
- ↑ スター・チャンネルHPでの紹介 吹き替え版は同局のチャンネルの一つである「スター・チャンネル プラス」での放送。